食廃油とは?


カーボンニュートラルでカーボンゼロ社会へ

廃食油(はいしょくゆ)とは、食用油を加熱調理などに使用した後に不要となった油のことで、飲食店・食品工場・家庭などから排出される使用済み油脂の総称です。

♻ 廃食油の発生と処理の流れ

使用:調理などに使われる

排出:使い終わった油として廃棄(濁り・臭い・酸化)

回収 or 廃棄:容器で業者が回収、または家庭で固化処理して可燃ごみ

リサイクル:回収された油は下記のような用途に再利用される


主な再利用先(リサイクル用途)

用途 説明

バイオディーゼル燃料(BDF) 軽油の代替燃料。CO₂削減効果あり(2.6kg-CO₂/L)

石けん原料 脂肪酸を加工して廃油石けんに再生

飼料 家畜用の油脂原料(ただし厳格な安全基準あり)

工業用潤滑油・塗料 特殊処理して化学原料へ

海外輸出 航空燃料(SAF)など再生原料としての需要増大中


🌍 なぜ廃食油が注目されているのか?

観点 理由

環境 廃油が下水へ流出すると水質汚染の原因に(1Lで風呂5杯分の水が汚染)

エネルギー バイオ燃料として代替エネルギーに活用可能

SDGs 「12.つくる責任つかう責任」「13.気候変動対策」に貢献

カーボンゼロ 再利用によりCO₂排出を大幅に抑制できる循環資源

📊 数値で見る日本の廃食油

年間発生量:約52〜54万トン

飲食店等の事業系:約40万トン

家庭からの排出:約10万トン以上

国内で燃料用途に再利用されるのは約2.5〜3%程度にとどまる

📌 まとめ

廃食油は「ただのゴミ」ではなく、再生可能エネルギー資源であり、循環型社会を支える重要な資源です。とりわけ、飲食店や子ども食堂などから発生する廃油を回収・活用することで、地域単位でのカーボンゼロ推進や環境教育にもつなげることができます。